Sunday, 2 February 2014

Sherlock Season 3: Empty Hearse感想

さて、遅まきながら?見ましたよ、シーズン3。カンバーバッチ氏ブレイク後ですからね、今回のNHK版はぜひ地上波で!

今日は1話目だけ。タイトルはEmpty Hearse。なんだろうな、やっぱ何かにかけてんだろな。Empty Houseみたいなのがオリジナルにはあるんですかね←全然シャーロキアンじゃない。Hearseは「霊柩車」らしいです。ふーんなるほどー。

とりあえず、ネタバレしない範囲で今回は書きます。
ネタバレはしないけど、本筋と関係ない美味しいとこ全部ばらしちゃうかもしれん。ごめんよ。ていうかネタバレって何?^^;
もすこし正確にいうと、謎解きの部分はネタばらししませんが、それ以外では結構バラします。


↓ ↓ ↓


あれアンダーソンだったんだー。ヒゲ生えるだけで違うな、ジョンじゃないけど。ちょっとかしこそうに見えたぞ(笑)それが罪悪感なんだっていう指摘はなかなかよかったけど、でもなー、どっちかというとああなるよりは、「シャーロック逝ってヨシ!」って感じで洟も引っかけずに生きてるほうがよかったな。私、アンダーソンはあのちょっとオバカな、でも普通の健康的な一般市民みたいなのがいいと思ったから。そういえばサリー出てこなかったけど、もう出ないのかなあ。死んだと聞かされた後だから、ちょっとしおらしく出て来たりすると、歪んだ思想の視聴者としてはオイシイんだけどなあ。

あと、ほんとに結婚すんのかなージョン。してほしい。ていうか、私メアリーよりサラのほうが好きだったけど。前も書いたけど。サラってジョンを面接してたし、ジョンの代わりに患者の診察とかもしてたから、立場的に上司だったと思うんですよね。そういう女性に「いやあ僕なんか」って感じで一定の敬意を払いつつ、男性としてふいに優位に立ったりするのがあのちまっこいジョンだっていう構図がほんと面白くて。
今度の人は残念ながら、そういう妄想をかき立てないです。よくも悪くもジョンやシャーロックの側にうまく寄り添える人ですね。

セルビア語っていうのかな。やっぱ語学出来るって、どこの国の人にとっても「カッコいいこと」に見えるんだなと思って笑っちゃった。でも、なんぼスマートでも語学を数時間でマスター(しかもそれでも遅いとか)するのは無理ですから。もちろんルーツが同じなら、日本語から英語覚えるほどのギャップはないけど、語学は理論ではないので。山ほどの例外で成り立ってるので、パターンが分かったからって1を聞いて10を知るようなわけにいかない。物理的に不可能なんです。
だから機械翻訳の開発だって、文法を覚えさせる手法じゃ行き詰まっちゃって、今はひたすら数をこなす方法に変わってきてるんだから。
ただ、「それでも、マイクロフトくらい頭がよかったら、語学もぱぱって出来ちゃっておかしくないのかも!」っていう純情な夢を、イギリス人も見ちゃうんだなと思ったら微笑ましかった。っていうかさ、英語圏の人って外国語習得についてはきっと他国人より無知なんだろうね。

レストラード、いいやつだなーって思っちゃった。やっぱ好き。今回出番も見せ場もなくて残念だったけど。今回だけ見てると、レストラードは警部じゃなくて、イタリア製のスーツのCMモデルにより近かったね(それでもいいけど。うふん)

今回一番良かったのは、モリー。いいぞモリー、出番増やしていこう!bromanceに負けるな!
一日助手やって、最後に道で別れたシーン、ぐっと来たわ。シャーロックはあれ、モリーがついてくると思って歩いてたんじゃないのかな?ごはんおごるんじゃなかったの?
でもモリーは別れたんだよね。たとえ他の男性と付き合ってたとしても、シャーロックってモリーにとってはずっと忘れられない人なんだろうな。シャーロックが自分のことをどう思っているかよく分かった上で、そうなんだろうな。

ああああー萌えるわ!!小雪舞う中での別れ☆
アンダーソンの妄想実現してほしかったわ(笑)

このドラマ、男女の恋愛模様はなかなかドライでクールで見応えあるんだよね。どうでもいいと思われてるからか(笑)男同士は甘々だけど。
シャーロックとモリーの関係は変わりつつあるんじゃないかと思う。最初の頃は王子様と取り巻きの一人みたいな感じだったけど、段々対等になってきたような気がする。むしろ、彼女によってシャーロックは人間らしさを帯びて来たと言えるんじゃないかな。アイリーンも好きだし、いつでも復活してくれてOKだけど、シャーロックの相手はモリーでもいいな〜。

でも、やっぱり、このドラマは60分とか、45分くらいの長さで作ってほしいな。

追記:ちょっと調べてみたら、原作のほうでホームズがライヘンバッハ以降、最初に現れたシーンを描いた作品がThe Adventure of the Empty Houseだそうです。その作品の中でホームズは仮装してワトソンの前に現れることになってて、だから現代版もそれを真似したんですね。
そういえば今BSでやってるグラナダ版でも、この回最近放送してたなあ。グラナダ版も好きなので、一応見てはいるんですけど、あれが下敷きになってたとは、全然気づけなかったよ。

Wednesday, 13 November 2013

Let's have dinner

まったく突然ですが、久しぶりにNHK-BSの「ベルグレービアの醜聞」を見てて、バタシー発電所のシーンを自分で訳してみたくなったので、勝手に訳しました。笑
なんか、このシーンの訳あってるのかな?ってエラソーに思ってしまった部分があるんだけど、字幕よく見たら、間違ってなかった。^^; 嗚呼勘違い・・・

だからほとんど自己満足のためだけの訳です。

でもあのシーン好きなんですよね。アイリーンとジョンが、その場にいないシャーロックを挟んでヒリヒリした掛け合いをやってる。
英語ならではの、寸鉄人を刺す台詞回しがカッコいいですよね〜。英語の良さををしみじみ味わえる場面です。
あと、Let's have dinnerの連呼が好き、前も書いた気するけど。あれは「お食事しましょ」じゃなくて、「食事しない?」くらいにして欲しかったな〜。そこだけは細かいけどこだわりがある。「お」食事っていう言い方がなんかダサいんだよね。Let's have dinnerって、勧誘の表現にしてはかなり踏み込んでるしさ〜「お」食事だとちょっと丁寧過ぎて(ry

***************

Irene: Hello, Dr Watson.
アイリーン:ごきげんよう、先生。
John: Tell him you are alive.
ジョン:・・・生きてるって教えてやれよ。
Irene: He would come after me.
アイリーン:そんなことしたら追われるわ。
John: I would come after you if you don’t.
ジョン:言わなきゃ、僕がきみを追い回すぞ。
Irene: Hmm, I believe you.
アイリーン:まあこわい。
John: You were dead on a slab.  It was definitely you.
ジョン:きみは死体だった。間違いなくきみだった。
Irene: DNA tests are only as good as the record you keep.
アイリーン:DNA鑑定の信憑性なんて、あなたの日記と良い勝負よ。
John: Oh, I bet you know the record keeper.
ジョン:鑑定士と知り合いだったな?
Irene: I know what he likes.  And I needed to disappear.
アイリーン:趣味のお友達なの。ちょっと、姿を消す必要があってね。
John: Then how come I can see you and I don’t want to?
ジョン:じゃあなんでまた、僕には見たくもない君が見えてるのかな。
Irene: I made a mistake.  I sent something to Sherlock for safekeeping and now I need it back.  So I need your help.
アイリーン:ちょっとしくじったの。あるものを隠したくてシャーロックに送ったんだけど、返して欲しいの。手伝ってもらえない?
John: No.
ジョン:嫌だね。
Irene: It’s for his own safety.
アイリーン:彼のためよ?
John: So is this.  Tell him you are alive.
ジョン:こっちだってそうだ。生きてるって教えてやれよ。
Irene: I can’t.
アイリーン:それはできないわ。
John: Fine.  I will tell him and still I won’t help you.
ジョン:そうか、ならいい。僕が言う。きみの手伝いはお断りだ。
Irene: What do I say?
アイリーン:何を言えばいいのよ?
John: What do you normally say?  You’ve texted him a lot!
ジョン:いつも何を言ってるんだよ?さんざんメールしといて!
Irene: Just the usual stuff.
アイリーン:ありきたりのことよ。
John: There is no usual in this case.
ジョン:この件に限って、ありきたりのことはないね。
Irene: “Good morning, I like your funny hat.  Let’s have dinner.”
“I’m sad tonight.  Let’s have dinner.”
“You look sexy on Crimewatch.  Let’s have dinner.”
“I’m not hungry.  Let’s have dinner.”
アイリーン:“おはよう。あなたの変な帽子好きよ。食事しない?”
“今夜は悲しい気分なの。食事しない?”
Crimewatchに出てたあなた、セクシーだわ。食事しない?”
“お腹すいてないの。食事しない?”
John: You flirted with Sherlock Holmes?
ジョン:付き合いたいのか?シャーロック・ホームズと。
Irene: At Sherlock. He never replies.
アイリーン:私の片思いってとこね。返事がないもの。
John: He always replies to everything.  He’s Mr Punchline.  He will outlive the god to say the last word.
ジョン:ないわけない。相手をやりこめたくてウズウズしてて、そのためなら神様より長生きしそうな奴だぞ。
Irene: Does that make me special?
アイリーン:じゃあ、私は特別ってことかしら。
John: I don’t know, maybe.
ジョン:さあね、そうかもな。
Irene: Are you jealous?
アイリーン:嫉妬?
John: We are not a couple.
ジョン:恋人じゃあるまいし。
Irene: Yes you are.  There, “I’m not dead.  Let’s have dinner.”
アイリーン:恋人よ。さあこれでどう。“生きてるわ。食事しない?”
John: Who the hell knows about Sherlock Holmes, for the record, if anyone out there still cares, I’m not actually gay.
ジョン:シャーロックはどうか知らないが、一応言っとく、もう気にしてる奴もいないだろうけど。僕は実はゲイじゃないんだ。
Irene: Well I am.  Look at both of us.
アイリーン:ところが私はそうなのよ。まるであべこべね。
(テキスト着信音=アイリーンの吐息)
Irene: I don’t think so.  Do you?
アイリーン:・・・私は違うと思うわ。

***************

最後の「I don't think so」が何を指していたかというのは難しいですよね。NHK訳のように、「私はやめとく」でもいいと思います。あれはつまり、テキストの着信音を聞いて、ジョンが考えた何かに対して「違うと思う」と言ってるわけで、じゃあジョンがその時何を考えていたかというのが問題なわけです。
シャーロックが近くにいる、じゃあここで3人が顔を合わせたらいい。彼を連れてこよう。と、ジョンが思って一歩踏み出したのなら「私はやめとく」でつながります。
ここで会っても仕方ないって感じかなぁ。
または、シャーロックが先走って何かをするのを止めようとして、アイリーンは「心配しなくても大丈夫だ」と言おうとした?

・・・等々と、秋の夜長にとりとめもなく考えたりするのはなかなか楽しいわけです。ほんと、ジョンの言い草じゃないですが、誰も気にしないと思うんですけどね。笑

Sunday, 26 August 2012

ライヘンバッハ・ヒーロー♪

長い間ほったらかしていました>_<
気づけばNHKの放映も終わっていましたね。

数ヶ月前からBSの調子がおかしくて、写らないので会社の人に頼んで録ってもらい、ようやく昨日3話を見ました。
3話だけ、未見でした。イギリスからDVDまで買っといてこのていたらく…

でも3話、面白かったです。
まだ日本語版しか見ていないけど。
モリーとシャーロックの関係が、甘酸っぱくて萌えちゃうわ。
もう、付き合っちゃえよお前ら!!(ありえない)
モリーが、なんだかんだ言ってドMなので、意外と相性がいいと思うのだよね。まぁ、ふつーの恋人同士みたいな付き合いはイメージできないけど。
特に2回目の長いシーン、追いつめられたシャーロックが青い顔してモリーの研究室(モリーの研究室ではないか?;)にやって来たときのシーンはよかったね。手負いの動物みたいな顔しちゃって、あの顔で頼まれて断れる女性いないでしょ(笑)ずるいわねーシャーロック。でもいいのよ、モリーになら。モリーはたとえうっとおしい子ちゃんでも、心がきれいだから、ああいうシャーロックの顔を見る権利あると思うよ。

たぶん、自分の死体の替え玉になるような死体をモリーに調達してもらうために、行ったんだよね。
あの憔悴した表情が、演技でないことを祈る(笑)もし演技なら嫌いになっちゃうわ、シャーロック。たとえ演技でも、モリーは腹も立てないだろうけれど、私は腹立つ(笑)

あと、職務と情の板挟みになってるレストラードにも萌えちゃうわ。
部下の造反でシャーロックを逮捕しなければいけない羽目になり、それを潔しとしないシャーロックが逃げ出して、ますます自分の立場を悪くしてしまうのを見たときの、
「ああーもう!」
みたいに顔を覆ってがっくり来てたレストラードは抱きしめたいくらいでした。
なんていい人なんだろう。あの二心のなさ。
シャーロックの理解者の一人だよね。シャーロック、分かってんのかな。彼の理解者はジョンだけじゃない。むしろ、レストラードのほうが立場的にシャーロックを支持するのが難しいのに。ああごめん。これはひいき目なのよ、分かってるんだけどさー。
ルパート・グレイヴス、かっこいいんだもん。若い時の顔しらんけど、年取った今の顔のほうが絶対かっこいいと思う。グレイの髪とか、シワとかが最高なのよ。きゃっ。

後は、シャーロックが死んじゃったと思って、墓石をひっかくようにしながら話しかけるジョン。
墓石にガバとすがってオイオイ泣くとか、いう悲しみ方じゃないのだよね。まだ信じられないから、墓石をしっかり掴んで、その冷たさとか実感しちゃうと、死んだ事認めなきゃいけなくなるから。でも、シャーロックに一番近づけるのは、その場所でしかない気がして、近寄りたいような、近寄りたくないような気持ちでいる。
だから、あの、引っ掻くみたいな触り方なのかなって思ったんだけど、別の見方をすると、ご主人に先立たれた犬が、途方にくれて前脚で墓石引っ掻いてるみたいな…
そんな風に見えなくもなくて。

今回、マイクロフトはいまいち、いいとこなかったですね。
シャーロックの半生喋っちゃったりして。それにしても、何を喋ったのか聞きたい。
そんな、新聞に載ったらうろたえるような話って、きっと普通じゃないぞ。
→考えてみました。
○内ももにあるホクロの位置を当てられた。
○小学生の時給食費を盗んで推理グッズを買ったことをバラされた。
○好きなAV女優をバラされた。

…ま、まさかね。
だとするとやっぱり、えげつない推理力でもって誰かの恥部を暴いた、みたいな。
母親とか、お世話になった誰かだとか、そういう近しい人との関係を著しく悪くしたような何か、とか。
そういう過去の汚点かな。見てみたいなぁ。過去の話。素敵なあの人の過去の話、って、少女漫画じゃ鉄板なんだけど。

あの、キティという女性の配置はなかなか良かったですね。キレ者ぶって、ただ事態をややこしくしてるだけっていう。
でも、もしリチャード・ブルックがDVDまで出してる人気者なら、裁判で顔が出た時に誰かが何か言うだろ、と思うんですが。

最後モリアーティは死んだのかなぁ。
原作じゃライヘンバッハで死んだことにはなってるけどね。
今回のfallは「滝」と「凋落」をかけたのね。なるほど。

Thursday, 24 May 2012

番外編#2『裏切りのサーカス』



見て来ました@東宝シャンテシネ。木曜日のレイトショーにしちゃ結構な入り。7割くらいは埋まってたかなぁ。
見終わった感想としては、思ったほど自分の好みにどストライクではなかったんです。
面白く見られたんですけどね。
やっぱりね、痛いシーンとか、ダメなんですよ。軟弱者ですから。
カンバーバッチ氏、金髪ストレート、かわいいじゃないですか。お似合い。黒髪もいいけどね。
でも、やっぱり一番存在感を放っていたのはゲイリー・オールドマンasスマイリーでしたね。あまり彼をこれまで意識してみてなかったこともあるんですけど、私のイメージからは別人みたいに見えました。
後、コリン・ファースの軽い男っぷりも意外で面白かった。
どのキャラも、もうちょっとじっくり見たかった、というのはあるかな。
みんな個性的だから、一瞬なぞるだけじゃなくて、一人一人のストーリーをもっと追いたかったです。

後半、スマイリーが敵を徐々に追いつめ始めるシーンがクライマックスへの序章だと思うんですが、そこから最後へ向けて、ちょっと盛り上がれなかった。最後まで、かなり淡々としていたので。
私個人の好みとしては、もうちょっと爆発がほしかったかなと思います。火薬ってことじゃなくて、場面の爆発というかね。
残酷なシーンはそれなりにあったんですけど、そういうことでもなくてね。

Monday, 19 March 2012

掟破りのガイ・リッチー版(笑)


BBC版をお好きな方はもしかするとお嫌いかも知れませんが、映画のほう。
『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』
見て来ました。

私、コレも好きなんです。1も見て、とっても気に入ってしまいました。
たぶん、原作ファンじゃないからですね。むしろ私はルパン三世には一家言もつ人間なので、コレ見て
「ルパン三世みたい」
って言われるほうが

なんでだ!怪盗と名探偵だぞ、全然違うだろ!!アイリーンが不二子だと?テキトーなこと言うな!!!!!

と、プチ切れしてしまいます。ブチじゃないですよ。プチブチ切れ?(笑)

ロバート・ダウニーJrがいいんですよ。あの、おっきなお目目。伝統的なホームズ像とは真逆ですよね。薄汚いし、上品じゃないし、全然イギリス人ぽくないし。背もちっちゃい。
でも原作のホームズも結構武闘派ですよね。それに、そんなに清潔でもない。
だから、まるで原作度外視ってことじゃないんじゃないかなと思います。BBCのはキャラクター像はわりとオーソドックスで、設定が斬新。映画はキャラクターが斬新で、設定がまんま、と思ってます。

それでRDJrなんですけど、なんすかねー、巧まざるうまさがありますよ。ってなんか矛盾した言い方だけど。見た目はちっともスマートじゃないのに、仕草の端っこに現れるスタイリッシュさ、滲み出る可愛げ、ちょっとさびしんぼーな風に潤んでいるおっきな黒いお目目。
なんか知らんけど、元はそれなりに高貴な生まれだったのに、暴力的に回転の速い頭脳をコントロールできず身を持ち崩してしまった不運な人って感じがしちゃうのね。

それから、映画版のホームズとワトソンもけっこーいちゃいちゃしてるんですよ。
不思議なもんですよね、同じホームズを題材にとって、同じようなケミストリーを感じさせる2人の役者が並び立つってうのは、不思議な因縁を感じる。
BBCの2人は、もうイガミあってるのも前戯みたいなもので(あらはしたない)そばで見ているこちらもモジモジして来ますが、映画の2人はもうちょっと対等で、もうちょっとガチ。見てると、思わずニヤリとして、こちらも一緒に楽しめる。映画はホームズにもワトソンにも思いを寄せる特定の女性がちゃんといて、そちらに振り向ける心の部分もしっかりと持っている。男同士でいちゃいちゃするには、実はそれは大事なファクターのような気がします。
BBCのジョンはとんでもない不誠実男にされちゃってるからなあ、今の所。拠り所がシャーロックだけだからちょっと、予定調和なんだよなぁ。

でもBBCももちろん好きなんですけどね♪

っていうかまたしても、いろいろ書いたわりに、ストーリーには触れていないという(笑)
まいっか。ネタバレ避けましたってことで^^;

Saturday, 10 March 2012

Hounds of Baskerville 視聴1回目♪

なるほどこれは原作だと一族の名前だけど、このシリーズでは場所の名前にしたわけですね。なのでsがついてないのですか。確かになんとかヴィルって、地名っぽいな。

今回はミステリーと謎解きに主眼をおいているので、こんなもん字幕なしで見ようと思う方があほでした。悪あがきよね〜。どうせそこで生まれ育った人ほどのレベルにはならないのにね〜。どうして、あんな風に聞けたら喋れたらいいのになんて、考えてしまうのだか。何がそんなにカッコよく見えてしまうのだか、ちょっと悔しいような気もします。
ま、でも、M. フリーマンの英語はほんとに真似したい。あの、軽妙洒脱、打てば響くような彼のキャラクターは英語の持ち味によくフィットしてる気がするんだな。

毎回ロケーションが凝っていますが、今回はダートムア地方。1話でアイルランドの草原を出していたけど、今回はごつごつした岩が目を引きました。バスカヴィルは伝説の人食いハウンド犬?を売り物にした観光地でもあり、軍隊の基地でもありという設定のようです。そこで動物実験が行われているらしい。

動物実験かー、こんなん、ドラマの設定でも、動物愛護団体から抗議が来んのかな、と思いながら見てました。ヨーロッパは、そういうの過敏なくらい反応するイメージがあるんですが。でもまぁ、1話も、女性の人権保護団体みたいなのから抗議来そうか。笑

私はだんだんシャーロックの性格が苦手になってきまして、もうちょっとジョンに友達らしいところを見せなよ、僕の友達はひとりだけだなんて、思わせぶりなこと言うくらいならさ。と思って見てました。今の所、ジョンはシャーロックの理解者ではあっても、友達っていうほどの感じがしないんだよね、特にシャーロックの側からは。今回ふと、なんでジョン、シャーロックといるんだろうと思ってしまった。
面白い事件がないとイライラして周りの人間に当たり散らす性格、ほんと、めいわくよねー。特にジョンに対しては、許してくれると思ってワガママをセーブしてないところがまた、はらたつわー(笑)まあでも、本人にもどうしようもないんだろうな。なんたって頭が回り過ぎちゃうんだから。でもあの、mental palaceだっけ。あのシーンはちょっと、なんていうか………  ちょっと………ですが、そういえば今回、
「Look, John! I'm afraid」
みたいに言ってた場面はちょっと萌えでしたね。神経質な人が感情を昂らせているのを見るのは私、いつも萌えなんですが、あの場面はB. カンバーバッチ氏が良い味を出していました。恐れている、でもそんな人間くさい感情に囚われる自分が許せない。ああ、絶好の萌えポイントだわ!!!!めっちゃ手にぎりたかった(笑)あの細くて長い手を。そんなんで落ち着くシャーロックではなかろうが。

今回はドレスダウンしたレストラードも見られます。いやー、グラサンかけると大門刑事みたい(from西部警察)。声もステキだし、こんな人が片田舎に観光で来てたら目立ってしょうがないよ。地元女性騒然でしょ。でもなー、きっとレストラードは奥さんにloyalだから(何の話?)。でもほんと、しわがれ具合が絶妙で、いい声です。

今回は出番控えめのマイクロフトでしたが、問い合わせが来た瞬間、「あーもう」ってすぐ分かってたのが面白かったです。さすがの兄弟コンビです。じっさい、シャーロックのpassionとマイクロフトの権力が組み合わさったら、2人の頭脳は言うまでもなく、もうどこでも行けますよねー。見てて痛快でした。まあ、シャーロックなら、
「別にマイクロフトの助けなんかなくても、僕だけでもどこだって行けるさ。マイクロフトの名前があればそれがまぁ、0コンマ3秒くらい速くはなるかな」
とか言うでしょうけどね。間違いなく。

後、女性と話す時のジョンの舌の滑らかなこと(笑)いいわぁ〜ジョン。っていうか、こういう時のジョンはジョンというより素のM.フリーマンに見えるけど。女性と向き合ってると、すごく楽しそうなんですけど、この人。なんとも言えない魅力が出るよね、cuteだけでもないし、sexyだけでもないし、一言では言いにくいけれど、でもその両方が確かにあるんだなぁ。

ということで、ストーリーはネタバレしてないけど、大丈夫かな。
その他の美味しいところは結構ばらしちゃった気がする、すいません;;

Sunday, 19 February 2012

ララ・パルヴァーがめっちゃ歌うまい件

YouTubeで見つけました!

アイリーン・アドラーをやってたララ・パルヴァーちゃん、歌めっちゃうまいっす!
それにこのクリップの彼女は赤いトップスがよく似合って、健康的で、明るくて、かわいい☆

ホレました!!

アイリーンの時のダークさとは対照的。
こんなうまいの、たぶん舞台女優さんですよね。演技力が確かなのもうなずけます。
light-heartedなラブコメで、おきゃんな可愛い女の子とかやってみてほしい。

いやーコレいいわ。ご飯三杯イケる(そればっかりか)

超ネタバレのScandal in Belgravia感想

さて、ついに字幕付きで見ました!
このブログ、折り畳めないみたいなので、ネタばれされたくない方は回避してください。半端ないバラし方をしますよ〜。
ただし、もう話は分かってるので、どちらかというと細かい話ばっかりします^^;
→→→








字幕がつくと、また一段深く味わえていいですね〜。
なんたって、まだ1話しか見てないですから(笑)
次の週末から1週間ちょっとロンドンに行ってくるんですが(溜まりに溜まったマイルの解消☆)、向こうでDVDの残りとか見てるんじゃないかと心配になるわ〜。

アイリーン・アドラーの家の前で、「殴ってくれ」と言い出すシャーロックに、なんかジョンがおもろい返しをしていたな〜と思ってはいたんですが、ようやく分かりました。
シャ「殴ってくれ」
ジョ「は?」
シャ「殴ってくれって言ったんだ。聞こえなかったのか」
ジョ「君が殴ってくれって言ってるときはいつも聞こえてるが、たいていはsub-textにおいてだ」
つまり、直接殴ってくれって言われることはないけどシャーロックがあまり無茶なことを言うので、殴ってほしいのか?と思わせる事はよくあるってことね!そりゃそうだよね!^o^

そして、シャーロックが「Vatican Cameos!」って叫ぶ場面。
字幕なしの時はもちろん分からなくて、字幕ついても分からなかったという(笑)
何か慣用句的な表現なの?と思ってちょっと調べてみたらYahoo!UKの知恵袋的なフォーラムでも質問してる人がいて、どうもこの場面だけの言い回しですね。
原作ではバチカンのカメオ事件みたいなのがあったような記述があるらしくて(詳細は触れられていないけれども)、たぶんそれを借用してるのだろうと。
その事件でも同じようなカラクリが使われたという前提で、あの場合シャーロックとジョンにしか分からない暗号として、ジョンに「伏せろ!」ということを密かに告げたのだろうと。
シャーロックとジョンにしか分からない暗号、なんて、ファンに取っちゃ萌え萌えポイントなのに、結構あっさりスルーしていきましたね。怒濤の編集作業の過程で、何か落とされていったのかも知れないなぁ。あるいは、ワトソンのブログに何か書いてるのかなぁ。

そういえば、サラ消えたな〜…。残念。殺されかけたのにその後もケロッとしてたから、こりゃジョンとお似合いだと思ってたのに。
それにしても、ジョンはいきなりとんでもないwomanizerになりましたな。似合わないよ。そりゃ、ある程度女性遍歴を持ってもいいけれど、あの描き方じゃ女性に対する誠実さがまるでない。
まあ、でも、分かってるんだ。ジョンとシャーロックといちゃいちゃさせたいんだよね。そのためにはステディな女性がいちゃ邪魔になるんだろう。

「今回は僕の靴下の配列を君が変えなかったことを祈るよ」
とか言うくらい、自分の部屋がちょっとでも変わってると気づくはずのシャーロックが、アイリーンが(ま、本人かどうかは分からないけど)マンテルピースの上に置いた箱に気づかなかったとは、これいかに。
これはねー、やっぱり、アイリーン憎からずの気持ちがシャーロックにあるからじゃないのかな〜と思っちゃうんだよね。(ただの深読み)
自分から見て異質なものに極端に敏感なんじゃないかと思う、シャーロックは。繊細でもあり、頭脳明晰でもあるからね。アイリーンはその意味ではシャーロックに近い側にいるから、空気に親和性があるというか、そんな感じじゃないのかな。箱も、シャーロックが置きそうなところに偶然置いちゃうとかさ。想像だけど^^;
アイリーンがベッドルームに入り込んでいた場面だって、いつものシャーロックの速さなら、部屋に入った瞬間に気づいてもいいくらいなのに、結構手間取ってたし。アイリーンのいる空間に、一種の心地よさがあったりするのでは?
女としてアイリーンを見てたっていうより、ツインソウル的な…自分自身のような感じ。

モルグでアイリーンを見て、彼女で間違いないって断言したシャーロック、まぁ、スリーサイズが分かるから、顔がなくても当てられたんだって話なんだろうけど、それでもな〜、シャーロックともあろう人が、スリーサイズが一緒なだけの別人を、そう簡単に見間違うかなとは思うんだけど、その後の、
"This is low tar."
"Well, you barely knew her"
は、なんか、リズムもいいし、セリフ自体も乾いていて印象的な場面でした。

そして暖炉のシーン。いいよね。何回でも見られる。ご飯三杯イケる(笑)
Have you ever had anyone?と、唐突にアイリーンに聞かれ、いぶかしげに眉をひそめながら
"I'm sorry?"
って聞き返すシャーロックはなかなかセクシーでした。
シャーロックのような、冷たい、無感動な感じの人が、恋の罠をかけられて「は?」みたいに眉をひそめ、ひそめながら、今にも堕ちて行きそうな感じ、萌えだなあ。
暖炉っていうのがなー、またなー、小道具としては最高だよね。ベタだけど。ベタでもやっぱり暖炉だよ。ドキドキ感が増します。
そして怒濤のLet's have dinner口説き!
この口説き文句、おしゃれだよね。「お腹はすいてないの。食事しましょう」「あなたの帽子、正直言うと悪くないわ。食事しましょう」(だったっけ)とかさ。なんにでも「Let's have dinner」ってつける。
食事って行為自体、官能的だと言えなくもないので、これはなかなかセンスのいい口説き文句だと思う。最初から最後まで出て来て、結構好きだった。

最後に「脈をとった」「瞳孔が拡大していた」の発言、あれはシャーロックのカマかけじゃないかと思う。恋じゃなくても脈は速くなるし、瞳孔が拡大することはあると思うんだけど、そう言うことでアイリーンが動揺したから、それで馬脚を現したよね。あれはシャーロックが一枚上手だった。
「許しを請えっていうの?」
「そうさ」
そしてアイリーンが実際に負けを認めて打ちひしがれるのを横目で見ながら、
「食事のことは忘れてくれ」
という、見事な鬼の返し(笑)
シャーロックのSっぷりが炸裂してました。

モリアーティからはvirginと陰口きかれてるシャーロックですが、さて、この回を見ても結局それがほんとなのかどうか、分かりませんでしたね。
あの鬼の返しができたのは、彼がvirginだからなのか(しかしNHK、これをどう訳すのかしら^^;)、それとも??
私はそうじゃないと思ってるんですが。だってぶっちゃけ、シャーロックくらい見た目もよくて頭もよくて、な人には、自分にその気がなくても向こうから来るでしょうから。そしてシャーロックのあくなき探究心からして、それを知らないって状態に彼が耐えられるとも思えないんだよね。心の底から愛した人がいるとかいないとかじゃなく、virginかそうでないかって話なら、そうでない確率のほうが高いんじゃないかな。ただ、自分は恋愛向きじゃないっていうのには気づいてる。だからジョンに聞かれた時、It's not my areaって言ったんだと思うんだよな〜。経験があるからこその、「向いていない」発言じゃないかと。まぁ、この方面の話は、もうこれ以上掘り下げられないだろう、たぶん。今回が最高に彼が恋愛に近づいた回になるんだろうな。残念である。

そういえば「死のフライト」は、字幕見ても、分からんかったなぁ。つまり、モリアーティ一味が飛行機テロをたくらんでて、それを見抜いたマイクロフト側が死人を乗せたフライトを用意したが、そのことがシャーロックが暗号を解いたせいでアイリーン経由でモリアーティに伝わってしまい、計画が全部ダメになってしまったってこと?
ってことはテロリストは飛行機に乗り込むタイプの自爆テロじゃなく、空港でそのジャンボに爆弾をしかけて逃げることにしてたんだろうね。で、飛行機は操縦士なしで飛ぶから、被害者は出ないと(でも、ジャンボってリモコンみたいなもんで飛ばせるのか?)。

そのへんをもうちょっと詳しく説明してほしかったなぁ。時間足りなかったのかなあ。
ちゃんと深く考えてあるのかも知れないんだけど、放送分だけだと、矛盾だらけに見えちゃうんだよ。あの、最初のテロで爆発した飛行機に乗らなくて、その代わりに車のトランクで見つけられたあの死体とかは、どういうわけであの状態になったんだろう?
そんで、モリアーティにばれたって分かった後のマイクロフトの落ち込みっぷりも極端だよね。あそこまで落ち込むことなのかい?そりゃ失敗は失敗だけどさ、海千山千のはずでしょ、マイクロフトって。別にそのせいで人が死んだわけじゃなく、それほどの大金がふっとんだという感じもしないのに、あんなに凹むなんてなんか素人みたいだよ。あの場面全部削除して、飛行機のからくりを説明するシーンを入れて欲しかった。

最後の場面は前にも書いたけど、好きじゃなかったです。アイリーンがあんなにやすやすと敵の手におちて、しかも従容と運命に従うとは、とても思えないので。
そこでシャーロックが助けにくるのは、それはそれで面白いですけれども、アイリーンがちょっと情けなかったな。だから、ジョンとマイクロフトの会話の中で死にました、でよかったんじゃないかと思う。まあ、生かしておいてS3でもしかして使うかもしれんし、てことなんだろうけど、死にました、にしといて後で復活したって別にいいじゃん、アイリーンなんだし。むしろ、会話の中だけで語られるから、視聴者にはどっちか分からないまま終わるなんていうのも余韻があっていいけれど。あの場面全削除して、飛行機のからくりを説明するシーン入れて欲しかった。(笑)

最後に、そのジョンとマイクロフトの会話の中で、
「シャーロックは小さい頃、海賊になりたかった」
という話がでてきましたが、私はpirateをpilotだと思って、なるほど、飛行機の操縦士か、と思っていたんだけど、海賊だったんだ。かわゆすねー。
操縦士より海賊になりたい弟、きっと、やんちゃで夢いっぱいだったんだろうなぁ。

あっそうそう。
S1の時ジョンに言われて、007シリーズ見ておいてよかったね(笑)

Monday, 6 February 2012

番外編『ターゲット』

S2はいまだに1話しか見ていないというヘタレっぷりですが(もったいないし、没頭できる時間が少なくって^^;)
M.フリーマンが出演している「ターゲット」という映画をDVDレンタルして見てみました。

といっても彼はチョイ役で、主役はビル・ナイとエミリー・ブラント。
どっちも好きな役者さんです^^

映画はマイルドにブレイクしている英国俳優総まとめみたいな感じで、他にもルパート・グリント(ハリー・ポッターのロン)とか、ラブ・アクチュアリーでビル・ナイのマネージャーとして出てた太っちょおじさんとかも出てます。
話はイギリスらしい作りというか、コミカルで軽いテイストの話なのに無意味に人をやたら殺したりしてちょいブラックですが、それなりに面白かったです。役者陣もマイルドに売れてる感じなら、ストーリーも大盛り上がりのない、マイルドな仕立てでした;いえ、悪くはないんですが。

ビル・ナイは、ラブ・・・やパイレーツ・ロックで見たような、ファンキーなおじさん役しか知らなかったので(でなきゃタコのおばけとか^^;)、あんないかにもな英国紳士(殺し屋だけど)をやると意外で、それがかなり面白かったです。
なんだ、普通の役もやれるのね・・・みたいな。
エミリー・ブラントも、着てる洋服がいちいち可愛いし、いかにもな美人というよりはファニーフェイスっぽいのであの役はぴったり。
ルパート・グリントは、やっぱりああいう立ち位置なのね・・・と納得したり。

M.フリーマンは後半以降出てきますが、ぴったりと髪をなでつけてシャーロックの時とは趣を変えてるだけでなく、ちょっと人格の破綻した、そこまで腕がいいわけじゃないのにプライドは高い、そういう殺し屋を上手に演じていて、これも面白かったです。ジョンの時の人のよさ、頭のよさ、正義感、そういうものを微塵も感じさせませんでした。素の本人はジョンに近いのではと思うのですが、それを全く消し去って、よくもまぁあんな小物感を出せるもんだなと感心。
チョイ役だからあまり出番がないんだけど、その限られた場面の中でいちいちneatな演技をしています。
ビル・ナイの役名「メイナード」を若干「マイナード」寄りに発音する、軽いロンドン訛りにもちょこっと萌え。うふふ。

やっぱり、役者さんは顔とかスタイルじゃなく、演技がうまいのが一番。だって、役者さんなんだから。
最近はますます、そういう気持ちになっています。

雰囲気だけでスクリーンの中に立っていてもいいと思えるのは、高倉健さんぐらいだねぇ(笑)
「あなたへ」楽しみ~♪
(シャーロックに全然関係ない話ですいません)

Wednesday, 1 February 2012

2回目。

Scandal in Belgraviaをもう一度、字幕なしで見てみました。
まだ分からない…ヒコーキのくだりがなぁ…いまだに分かりません。あれは何なんだ?

ベルグレイヴィアの位置が実は、いまいちピンと来ず。
地図で見て、ああこのへんね、と思っても、その辺の景色が像を結びません。
なんか悔しす。私以外の人にはどううぅっでもいいことですけど。

アイリーンがタクシーを降りて、通りから家に入る時のシーンは、めっちゃエクレストン・スクエアに見えるんだけど。気のせいかなぁ。まぁ、ベルグレイヴィアに漸近線??

ベルグレイヴィアっていうのが通好みなチョイスなんだろーなー。
チェルシーとかサウスケンジントンじゃなくてさ。
だっていまいちピンと来(以下略

そういえば、今回はハドソンさんがかなり出張ってましたね。前も書いたけど、あまりハドソンさんにプライベートに介入してほしくないんだけどなぁ…
もうちょっと、家主としての線を引いてほしい。仲良しクラブをやってるんじゃないんだから。今回のハドソンさんの立ち位置は、パイロット版のStudy in Pinkとかなり似てました。

後もう1回くらい、字幕なしで見てみよかな。

Saturday, 28 January 2012

ネタバレしないScandal in Belgravia(笑)

っというわけで、1話は見ちゃいました。
すみませぬ!まだ見ていない皆様!!
でも、字幕付けないで見たので、7割くらいしか分かってません。
まあ、これからゆっくりじわじわ何回も見て、もういいかって思ったら字幕つけようかと。
個人的には、バタシー発電所がちらっと出て来て嬉しかった。毎朝、あれをバスの窓から見ながら仕事に通ってたもんです。^^

もいっこ、本筋に関係ないことで嬉しかったことは、ジョン、スタンフォードとまだ付き合ってるんだな〜ってこと。出て来ないけどさ^^;
私、スタンフォード好きなので。自分は普通だけど、友達が普通じゃない世界の人間でもわりと受け入れちゃう器の広さというか。
本人は出て来ないのかなぁ。ちょい役でいいので絡んで欲しい。

話が若干分かってないからか(笑)、ストーリーは思ったより中だるみすることもなく、ちゃんと見られました。まあ、シャーロックがちょっと色恋沙汰に踏み込む話ですからね〜
見てる方としてはそれだけで面白いっすよ。ええ、私なんて下世話な人間なんです。
後、アイリーン・アドラーが思ったより若くなくて面白かった。アメリカの話だったらとびきり美人なピチピチ20代を連れてくるとこなんだけどな。
やっぱイギリス人ってひねくれてるのかしら。
そうそう、アメリカ人をあほっぽく描くのもやめたほうがいいと思うんですけど。私の今の上司がアメリカ人で、彼は『シャーロック』結構好きでDVDとか持ってるんで、彼がこれを見たらどう思うんだろうと私がいらぬ心配をしなくちゃいけなくなりますので。^^;

最後のパスワードのトリックはなかなかおもしろかったですね。
まあ、90分かけてアレが言いたかったんだなと腑に落ちたというか…笑

ただ、最後の最後のエンディングは、私は好きじゃなかったです。あれはないほうがよかった。マイクロフトの話で終わっててほしかった。ばちゃばちゃした雨の降る、あの若干shabbyな店で。
これは、単純に好みの問題なんですが。放送分のラストも、しゃれてるっちゃしゃれてたんですけどね。

さあ!ネタバレしない感じで書いたぞ!!

着きました〜


本日届きました☆Amazon UKより。

ヨーロッパのAmazonは同じパッケージで送るんですかね。
Amazon.deとかAmazon.frとかもサイドに書いてました。

このパッケージ、コンパクトでいいですね。
ポストにぽろんと入ってましたよ。
日本のAmazonで買うと絶対ポストに入らなくて、不在だと郵便屋さんが持って帰っちゃうんですよね〜。すっごい不便。

6000マイルの彼方からはるばるやってきたものがこのパッケージで済むのなら、国内向けのあの包装は過剰としか思えません。

さて、中身の方ですが、カバーを見ただけでまだ開けてません。
今週は忙しくて、明日までそれが続くので、いや日曜も忙しくなりそうなのかな?
ヘタするとこの次の週末までおあずけかも?^^;

せっかくならゆっくりと見たいので。

Monday, 23 January 2012

アマゾンUKの書評を読んでみた

余り詳しいネタバレはノーサンキューだけど、すでに見た人の反応が知りたいと思ってamazon UKのレビュー欄を見てみました。
すでに40件以上のレビューが。人気ですね〜。

9割方五つ星がついていましたが、あえて評価の低い人のを読んでみました。
それを見ると、全三話のうち、Scandal in Belgraviaが一番評価が低いみたい。
アイリーン・アドラーの描き方がいまいちだとか。
あくまで、人の感想なので、全面的に信じるわけじゃないけどね。

逆に一番いいのはHound of Baskervilleみたいです。

アイリーン・アドラーは、ホームズを出し抜く事のできる頭のいい女性ということになってるので、そのへんがどう描かれるか楽しみなのですが。
頭が良くて、セクシーっていうのが、いいじゃないですか。不二子もファーストシリーズではそうだったよ(いきなり?)。でも、あっという間にナイスバディーなだけの頭弱い子ちゃんになっちゃったからなぁ。キャラの造形としては、難しいのかもしれんなぁ。

トリックが弱い、みたいな指摘もあったんですが、トリックが弱いのはS1からだよね?何度も繰り返してみると、あれおかしいな、っていう部分はいっぱいあったと思うので、S2だからっていうものじゃない気も。

M.フリーマンはなかなか頑張ってるようですよ。これは楽しみ。

Sunday, 22 January 2012

My order is dispatched

アマゾンUKからDVDが発送されたそうです。
昨日メールが来ました。
1週間くらいで届くのかなー?

楽しみです。

ワトソンのブログはガツガツ更新されてるよーですな。
しかし、読むわけにいかないわ。本編を見るまでは。

S2もクリフハンガーで終わったそうです。
クリフハンガー、つまり主人公が崖にぶらさがって、「あわやどうなる!?続きは次回!」
みたいな引っ張り方をして終わらせるやり方、なんですかね。
で、S3もあるそうです。それは、いいんですけど。

マーティン・フリーマンがいじめたくなるような可愛い顔をしてるからって、シャーロックのパシリみたいに使われるのは、ほんと、笑えないというか、私は嫌なんだけど、どうもその路線にいっちゃってるよーなんだよな・・・

もうちょっと、骨太な展開を期待したいものです。
とりあえず、DVDの到着を待ちますか。

Sunday, 25 December 2011

ワトソンのブログ

が、ちょっと模様替えしてますね。
(右カラムのリンクからどうぞ)

写真が追加されてますが…拡大不可。でもS2に出て来る場所なのかしら?
コロッセオくらいしか分かりませんが…ローマのコロッセオなのかしら。
なんかエッフェル塔らしきものも見えますが…
「Scandal in Belgravia」ではアイルランドにも行ってるよね。
S2はロンドンの外に飛び出すのかしら。だとしたらますます派手な展開が期待できそうですね〜。
S1はひたすら国内、っていうかほぼロンドンオンリーだったもんね。

S3, S4と進んで行くなら、そうやって世界各地でロケってのもおもしろいね〜。
日本にも来て〜(笑)

戯れ訳『ボヘミアの醜聞』7


私はその晩はベーカー・ストリートに泊まった。翌朝パンとコーヒーで軽い朝食を摂っていると、ボヘミア王が慌ただしく部屋に入ってきた。
「やったのか!」王はホームズの肩をつかんで揺さぶり、燃えるような眼で見つめながら言った。
「まだです」
「しかし望みはあるのだな?」
「はい」
「では、来い。待ち切れん」
「馬車を呼びませんと」
「私の馬車が外で待っている」
「よろしゅうございます」
そうして私達は、ふたたびブライオニー・ロッジへ向かうこととなった。
「アイリーン・アドラーは結婚しましたよ」
馬車の中で、ホームズが告げた。
「結婚だと!いつだ?」
「昨日です」
「相手は?」
「ノートンという英国人の弁護士です」
「愛しているとはとても思えん」
「私はそう願っていますが」
「なぜだ?」
「陛下にとっては、その方が後々ご心配の種が減るからでございます。彼女が夫を愛していれば、陛下のことはもう忘れるでしょう。そうなれば、今後陛下を脅かすこともないわけですから」
「それはそうだが、しかし・・・いや。彼女が私に釣り合う身分でなかったのだけが残念だ、前代未聞の女王になったことだろうが!」
王はむっつりと黙りこんだ。そのまま、馬車はサーペンタイン・アベニューに到着した。
ブライオニー・ロッジの玄関は開け放たれており、年老いた女性が戸口に佇んでいた。彼女は私達が馬車から下りるのを、冷笑をたたえて見守った。
「ホームズ様の御一行とお見受けしますが」彼女が問うた。
「私がホームズだ」答えながらホームズは彼女を見た。物問いたげな、というよりはむしろ、ぎょっとしたような顔つきだった。
「まあやっぱり。奥様から、そろそろお訪ねになるころだと聞いておりまして。奥様は旦那様とお発ちになりました。チャリングクロス駅5時15分発の列車で、大陸へ向けて」
「なんだって!」ホームズは悔しさと驚きのあまり、よろめきながら後ずさった。「イギリスを出たと言うのか?」
「はい。二度とお戻りになりません」
「それで書類はどうなったんだ?」王が吠えるように言った。
「何も残っておりません」
「この目で確かめるさ」ホームズは召使を押しのけ、居間へと乗り込んだ。王と私が後に続いた。家具は引っかきまわされ、棚という棚、引き出しという引き出しが床に散らかっていた。出発の前に急いで荒らして回ったかのようだった。ホームズは呼び鈴の紐に駆け寄った。羽目板を外し、後ろの窪みに手を突っ込んで、一枚の写真と手紙を取り出した。それはイブニングドレスに身を包んだアイリーン・アドラー個人の写真だった。手紙の表には「シャーロック・ホームズ様。次に必要になる時まで、お預けします」とあった。ホームズは封を切り、我々三人は手紙を読み始めた。日付は昨夜の真夜中となっており、やや乱れた筆跡でこのように書かれていた。
『親愛なるシャーロック・ホームズさま。見事なお手際です。私はすっかり騙されてしまいました。火事騒ぎが起こるまで、つゆほども疑っていなかったのです。そこで初めて罠だと気づき、考え始めました。貴方のお噂は数ヶ月前から聞かされておりました。ボヘミア王が探偵を雇うとしたら、貴方を置いて他にないだろうと。ベーカー・ストリートのご住所も把握しておりました。それですのに、例のものの在り処をあっさりお教えしてしまいましたね。私は肝に銘じておりましたのに、あんなに心やさしい、愛すべき牧師様が何かを企んでいることまでは見抜けませんでした。ところで、今ではお分かりでしょうが、私は女優としての訓練を受けております。若者になりすますことなんて、雑作もないんですの。この特技のおかげで何度も窮地をすり抜けてきました。私はあの時、御者のジョンをやって貴方を見張らせ、二階に上がって歩きやすい服装に着替え、貴方が家をお出になったと同時に階下へ降りたのです。
私は貴方をベーカー・ストリートまで尾行いたしました。そして貴方が間違いなく私の考えているお方、名にしおうシャーロック・ホームズその人であると確認したのです。途端にいたずら心が湧きまして、軽率にもご挨拶などしてしまいました。そしてその足で、テンプルの夫の許に参ったのです。
私達は話し合って、すぐさま行動すべきだと結論いたしました。このように手強い方が相手では、それが一番の方法です。明日、貴方がお訪ねくださる頃には、我が邸は空っぽになっているでしょう。写真に関しましてはご心配なきよう、ご依頼の方にお伝え下さいませ。私はずっと良い伴侶を得て、このうえもなく幸せでございます。王様はかつてある女をひどく不当に扱われたかも知れませんが、その者が王様の邪魔をいたすことは今後一切ございません。ただ我が身のお守りとして、そして王様が万一手荒いことをなさろうとした時に心強い武器となってくれるでしょうから、写真はこの身に携えてまいります。その代わり、別の写真を残してゆきます。王様がもしかしたら、その女を思い出すよすがとして下さるかもしれませんもの。本当にそう思っております。親愛なるホームズさまへ。
心をこめて、アイリーン・ノートン・アドラー』
「なんて女だ。まったく、なんて女だ!」この書簡を読み終わった時、ボヘミア王がそう叫んだ。「あの女がいざとなったらどれほど素早いか、そして大胆であるか、君に言わなかったか?彼女の身分が私相応であったなら、全国民に愛される女王となったことだろう!かわいそうに、我々は次元が違いすぎたのだ」
「確かに、まったく次元が違うようにお見受けいたしました」ホームズは冷淡に言った。「陛下、ご依頼の件を思うような成功裏に終わらせることが出来ず、恐縮でございます」
「それどころか!きみ」ボヘミア王は叫んだ。「これ以上ないと言っていいくらいの成功だ。彼女は約束を絶対に守る女だ。写真は火にくべて燃やしたと同じくらい安全だ」
「そう言って頂いて何よりです」
「大変な借りができたものだな。何でも欲しいものを言うといい。この指輪はどうだ」ボヘミア王は蛇の形をした翠玉の指輪を外して手の平に置いた。
「陛下、それよりも頂きたいものがございます」
「言ってみろ」
「その写真です」
王は驚いたようにホームズを見つめた。
「アイリーンの写真だって!もちろんだ、それが欲しいなら」
「陛下、感謝いたします。それではお開きと致しましょう。謹んでお別れを申し上げます」
ホームズは一礼し、王が差し伸べた手に一顧だにすることなく踵を返した。そして私達は帰途に着いた。

そしてこれがボヘミア王国を脅かした大いなる醜聞の顛末であり、我らがシャーロック・ホームズの綿密な計画は完全に裏をかかれる結果となった。彼はかつて女性の賢さについてよく皮肉を言ったものだが、それ以来ふっつりとやめてしまった。そしてホームズがアイリーン・アドラーの、或いは彼女の写真について話す時はいつでも、「あのひと」という最大の敬意を込めた言い回しをするようになったというわけである。

戯れ訳『ボヘミアの醜聞』6


彼の言葉が終わらないうちに、馬車の灯りのにぶい光が通りの角を曲がってこちらへ届いてきた。上等な仕立てのランドウ型馬車で、ブライオニー・ロッジの戸口で止まった。馬車を見て、通りの隅にたむろしていた男の一人が駆け寄り、扉を開けようとした。あわよくば小銭にありつけると思ったのだろうが、同じことを考えたらしい他の男に突き飛ばされた。口論が始まった。そこへ2人の男がやってきて、口論しているうちの一人の加勢をした。すると今度はハサミ研ぎ職人がやってきて、もう一人のほうの肩を持ち、大声で騒ぎ始めた。それは殴り合いへと発展した。
ちょうどその時、アイリーン嬢が馬車から下りてこようと一歩踏み出した。彼女はたちまち殺気立った男達に取り囲まれた。あるものは殴り、あるものは棒きれを振り回している。ホームズは彼女を助けようと駆け出した。しかし彼女に近寄るやいなや、アッと声を上げて地面に倒れ込んだ。彼の顔は血で真っ赤になっていた。それを見た途端、争っていた男達は一斉に逃げ出した。代わりに、乱闘を見ているだけで参加しなかった比較的身なりのいい男達が、彼女と負傷した男に手を貸そうと集まってきた。アイリーン・アドラー(今やこの名字ではなくなったが)はやっとの思いで玄関口まで行った。階段を上がりきり、通りに向かってふり返った彼女の姿はみごとな美しさで、玄関ホールの灯りにその輪郭をあかるく照らしだされていた。
「気の毒に。怪我はひどいのかしら」彼女が言った。
「死んでますよ」と数人の声が答えた。すると別の声が、
「いや、まだ生きてる。でも病院まではもたねえかもな」と言った。
「勇敢な人だね」と群衆の中の女性が言った。「その人がいなけりゃ、あのお姫さまの財布も時計も全部なくなってたろうよ。あの強盗団は手段を選ばないからね。おや、息を吹き返したんじゃないかい」
「このまま通りにうっちゃっておくわけにいきませんぜ。中へ入れてやってもらえませんか?」
「もちろんよ、居間へ運んであげてちょうだい。ちょうど良いソファがあるわ。さあ、こちらへ」
ホームズはゆっくりと厳かにブライオニー・ロッジの内部へ運び込まれ、居間へと寝かされた。私は一部始終を自分の持ち場である窓のそばから見ていた。明りがともった。日よけが上がったままだったので、私は横たわるホームズをよく見ることができた。
彼が自分の演じている役割について、良心の呵責を感じたかどうかは分からない。しかし、アイリーン嬢が負傷した男を介抱するいかにもやさしい仕草、その真ごころのこもった態度を見るにつけ、私はこのように身も心も美しい女性を欺こうとしている自分が心底不埒で恥ずべき存在のように思えた。しかし、ホームズと事前に打ち合わせた内容を今になって放棄するのは、それこそ最大の裏切り行為であろうと考え直した。私は腹をくくり、外套の下に隠し持っていた発煙筒に手をかけた。とにかく、彼女を傷つけようという計画ではないのだから、と自分に言い聞かせた。むしろ彼女が誰かに危害を加えようとしているのであり、我々はそれを阻止しようとしているのだ、と。
ホームズがソファの上で体を起こした。そして、息苦しそうな素振りをした。召使のひとりが走って行って窓を開けた。ほぼ同時にホームズが手を挙げるのが見え、その合図と共に私は発煙筒を居間に投げ込んだ。そして叫んだ。
「火事だ!」
それを言い終わるか終らぬかのうちに、騒ぎを見物していた人々が全員、紳士も馬丁も男も女も口ぐちに、
「火事だ!」
と叫んだ。濃い煙がもくもくと立ち上がり、部屋から窓の外へと流れ出した。誰かが素早く動いた気配がした。しかし次の瞬間にはもう、ホームズがあれは偽の警報だと、皆に言い聞かせているところだった。私は群衆の間を抜け、通りの隅まで移動した。10分後には、ホームズは私の腕を取っていた。私達はすみやかに騒ぎの輪から抜け出した。彼は押し黙って足早に歩いた。やがて、エッジウェア・ロードへ抜ける人気のない脇道に辿り着いた。
「じつにすばらしかったよ、博士」ホームズがようやく口を開いた。「これ以上ないというくらいの出来だ。すべて上々だ」
「で、写真は手に入れたのか?」
「隠し場所は分かったよ」
「で、どうやって知ったんだ?」
「彼女がおしえてくれた。そうなると言ったよ」
「まだ分からん」
「謎めかして見せすぎたかな」彼は笑った。「簡単なことだよ。通りにいた連中はみんなぐるだ。今夜のために待機していてくれたんだ」
「それはまぁ、分かったが・・・」
「騒ぎが始まった時、僕はこっそり赤い染料を手に隠し持って連中めがけて走って行った。そして倒れ、自分の顔を手でひっぱたき、哀れな被害者のふりをしたんだ。古い手さ」
「まぁ、それもそうだろうが・・・」
「僕は運び込まれた。彼女は僕を招き入れるよう仕向けられたんだ。見捨てるわけにもいかないものね。そして居間に寝かされた。僕が一番怪しいと思っていた部屋だ。写真は居間か、彼女の寝室のどちらかにあるはずだ。僕は居間だとふんでいた。僕が空気がほしいと訴えたので、窓を開けざるを得なくなった。だから君が予定通りの行動に出られたわけだ」
「それにはどういう意味が?」
「それこそが一番大きな意味を持っていたんだよ。家に火が付いた。彼女は本能的に、一番大事なもののところへ駆け寄ったんだ。それはあらがえない衝動だ、僕も一再ならず世話になっている。ダーリントンのすり替え事件や、アーンズワース城の一件などでね。母親なら子供に駆け寄るし、若い娘なら宝石箱という具合さ。さて我々のお姫さまの場合には、我々が探しているものがまさに彼女の一番大事なものだったのだよ。火事の号令は百点満点の出来だった。煙と人々の叫び声に、さすがの彼女もうろたえた。彼女は鮮やかに反応したよ。呼び鈴の紐の上にスライド式の羽目板が取り付けられているんだが、その後ろに窪みがあってね、そこに入っていた。彼女は一瞬でそこへ飛んで行った。僕は彼女が写真を引っぱり出すのを目の端で確認した。火事はデマだと聞くと、彼女はそれを元に戻した。そして発煙筒を見つけると部屋から飛びだし、そのままどこかへ行ってしまった。僕は起き上がり、丁寧に詫びを言って、邸から退散したというわけさ。写真をどこか安全な場所に移すべきかと思ったが、彼女お抱えの御者が部屋に入ってきて僕をじろじろ見るので、まずはそこから離れることにした。ちょっとした気の焦りがすべてをフイにしてしまうからね」
「それで、どうするんだ?」私は聞いた。
「捜査はほぼ終了だよ。明日、僕は王様のお伴をしてブライオニー・ロッジへ行く。よければ君も来るといい。僕らは居間に通されて、女主人を待つように言われるだろう。しかし彼女がやって来る頃には、僕らも写真も消えてなくなっている。我が王におかれては、写真を取り戻すことができて満足至極だろうよ」
「明日は何時に?」
「朝8時だ。彼女はまだ起きていないだろうから、動きやすい。それに、早いに越したことはない。彼女は結婚した。生活や習慣がどのように変化するのか分かったものじゃないよ。王にすぐ電報を打つとしよう」
私達はベーカー・ストリートに辿り着き、家のドアの前に立った。ホームズが鍵を探している時、誰かが背後を通り過ぎながらこう言った。
「こんばんは、ホームズさん」
その時舗道には数人の通行人がおり俄かに判じ兼ねたが、その声は外套に身を包み、早足で歩いている細身の若者から発せられたようであった。
「どこかで聞いた声のような気がするが・・・」ホームズはほの暗い通りを見据えながら呟いた。「さて、どこの悪魔の囁きだったかな」

戯れ訳『ボヘミアの醜聞』5


「思いもしない出来事が立て続けに起こったものだな」私は言った。「それで、どうなった?」
「そうだな、僕の計画は完全に狂ってしまった。二人はもう教会を出るところだった。一刻の猶予もならず、かつ大胆に行動しなければならない。しかし彼らは外へ出ると別々の方向に向かった。彼は法曹院に、彼女は自宅の方にだ。『5時、いつも通り公園へ行くわ』彼女が別れ際彼にそう言っていたが、僕はもう聞いていなかった。彼らは去って行った。そして僕は自分の用事をしに行った」
「と言うと?」
「食事さ。ロースト・ビーフとビールを」彼は呼び鈴を鳴らしながら言った。「あまりにも慌ただしかったので食べるのを忘れていた。今夜はそれ以上に忙しいだろう。ところで博士、きみが協力してくれればとても有難いが」
「喜んで協力するよ」
「法律違反をするかもしれんぞ。怖いかい?」
「いいや」
「逮捕は?」
「ちゃんとした理由があるなら」
「理由なら最高のがある」
「じゃあ構わない」
「きみの助けが必要になると思ってたよ」
「それで何なんだい?」
「ターナー夫人(※原文ママ)が食事を持ってきてくれたら話そう。・・・さて」
ホームズは夫人が持ってきた質素な食事をがつがつと食べながら言った。
「時間がないから食べながら話すよ。もうすぐ5時だ、2時間後には現場にいなければならない。アイリーン嬢、いや今は夫人か、彼女は7時には自宅に戻るからな。ブライオニー・ロッジで彼女に面会する」
「それで?」
「きみは何もしないでくれ。僕はもう、ある事を仕掛けておいた。この点は譲れないんだ。何が起ころうと、きみは邪魔してはいけない。いいかい?」
「中立でいろということだな?」
「一切何もするな。たぶん、少し不愉快なことが起きるよ。でも、それに加担しないでくれ。結果的に、僕は家の中に運ばれることになるだろう。四、五分後、居間の窓が開けられる。その窓に出来る限り近づいて待機してくれ」
「分かった」
「僕から目を離さないでくれ。見える所にいるようにするから」
「よし」
「そして僕が手を挙げたら・・・あるものを部屋に投げ入れてくれ、それは今から渡す。そして同時に火事だと叫んでくれ。どうだ、面喰らってないだろうな」
「ちっとも」
「別に恐ろしいものじゃないんだ」彼は言いながら長葉巻のような形の筒をポケットから取り出した。「配管工がよく使う発煙筒だよ。両端に雷管が付いていて、自動点火するようになっている。きみの役割はそれだけだ。僕が手を挙げる、きみが火事だと叫ぶ。かなりの人数が集まるはずだ。そしたら通りの端まで退避してくれ、10分後にそこで落ち合おう。不明な点はないかい?」
「中立を守る。窓のそばに寄る。きみを見張る。合図があったらそいつを投げる。火事だと叫ぶ。そして通りの角できみを待つ」
「その通り」
「任せてくれ」
「素晴らしい。では、僕は次の役割に取りかかるとしよう」
ホームズは寝室へと消えた。そして数分もしないうちに、純で感じのよいプロテスタントの聖職者に姿を変えて出てきた。幅広の黒い帽子、ぶかぶかのズボン、白いネクタイに親しみを込めた微笑み。そして、やや観察好きなのは純粋な善意からであると信じ込ませるその雰囲気の作り方は、かの名優ジョン・ヘア氏に並ぶほどと思われた。ホームズが変えたのは単なる衣装だけにとどまらなかった。表情、立ち居振る舞い、いや魂そのものが、彼の演じる新しい役に従って変化していた。彼が犯罪の専門家でなければ科学界が明晰な研究者を得たであろうが、そうでなければ演劇界が優秀な役者を迎えていたことだろう。
我々は6時15分にベーカー・ストリートを出て、サーペンタイン・アベニューに予定時刻の10分前に到着した。すでに日暮れ時で、我々がブライオニー・ロッジの周辺をうろつく間に街灯が一つずつ灯されていった。ブライオニー・ロッジは静かに主の帰りを待っていた。外観はホームズが簡潔に描写してくれた通りだったが、思ったほど近寄りにくい感じではなかった。それどころか、静かな地域の小さな通りにしてはずいぶん活気があった。隅のほうで粗末な身なりをした男達が煙草を吸いながら談笑しているかと思えば、こちらでははさみ研ぎ師が仕事に励んでおり、また別の場所では二人の守衛が看護婦見習いの女の子にちょっかいを出していた。その傍を仕立てのいい服を着た数人の男達が、葉巻を口にくわえて歩いていた。
「わかるかい」邸の前を歩きながらホームズが言った。「この結婚式のおかげで仕事がやりやすくなった。あの写真は今や両刃の剣というわけだ。我々の依頼人があの写真を婚約者に見せたくないように、彼女もゴドフリー・ノートンには絶対見られたくないと考えているだろう。そこで問題だが、写真は今どこにあるか?」
「まったくだな。どこだろう」
「彼女が常に身に着けているとは考えにくい。キャビネ版だ、女性のドレスに隠せるような場所はないよ。それに彼女は王が写真を取り返そうとしていることを知っている。すでに二回、曲がりなりにも試みているんだからね。そうなると、彼女は持ち歩いていないと考える方が自然だ」
「じゃあ、どこに?」
「普通は銀行か弁護士に預けたと見るだろうな。それ以外である可能性は低い。しかし、僕はどちらもピンと来ないんだ。女性は元来秘密主義だ。自分の秘密は自分だけのものにしておきたいと思わないだろうか。それを他人の手に預けるということがあるだろうか。彼女の保護者は頼れる人間かも知れないが、預けるとなれば彼にどのような間接的な、または政治的な影響が及ぶ恐れがあるかを話さなくてはなるまい、それは出来ない相談だ。まして彼女は、写真をこの数日のうちには発送する予定にしていた。彼女の近くにあると見るべきだろう。そうなると、邸の中のどこかだ」
「しかし、二度も押し入ったのだろう」
「ふん!どこを探すべきか知らなかったのさ」
「で、君はどこを探すんだ?」
「探さない」
「じゃあどうする?」
「彼女に出させるよ」
「まさか。断られるに決まってる」
「他に選択の余地はないのさ。さあ、馬車が戻ってきたらしいぞ。僕の頼んだことを一語一句まちがえるな」

戯れ訳『ボヘミアの醜聞』4


私は翌日の3時きっかりにベーカー・ストリートを訪れたが、ホームズはまだ戻っていなかった。家主の女性によれば彼は今朝八時過ぎに出かけたまま戻っていないということだった。私は何時間でも待つつもりで、暖炉のそばに陣取った。私はすっかりこの事件に魅了されていた。過去に私が記録した二つの事件と比べれば、この事件はとりたてて不気味でも、珍奇でもなかった。しかし、今回の依頼人と来ては一国の王なのである。その事実に加え、ホームズの透徹した洞察力や鋭い分析力を目の当たりにする愉しみもあった。複雑に絡み合った謎を瞬時に解き、それでいてわずかな取りこぼしもない。そんな仕事ぶりはよそでは滅多にお目にかかれない。彼は常勝の男であり、失敗するかも知れないとはいささかも思わなかった。
4時に差し掛かる頃、ようやくドアが開いた。入ってきたのは酔っ払いの馬手であった。乱れ放題の髪にあごひげを生やし、赤ら顔、身なりもひどいものだった。わが友の変装の才を重々承知しているつもりでも、それがホームズだと確信するまでに三度は見直さなければならなかった。
私に軽く頷いて寄越し、彼は寝室へ消えた。5分後に出てきたのはツイードのスーツに身を包んだ、上品な、いつものホームズだった。ポケットに手を入れ、暖炉の前で脚を伸ばして、彼は急に笑い出した。
「いや、まったく!」彼は叫ぶように言ってさらに笑った。笑い過ぎて息が詰まった。椅子の上でのけぞり、へなへなになるまで笑い続けた。
「一体なんだい?」
「おかしくって!僕が今日やったことといったら。それがどういう結果になったか、きみには決して想像がつかないだろうよ」
「つかないね。あのアイリーン・アドラーの動向を探っていたとは思うが。たぶん、家にも行ったのかな」
「その通り。だが、事の顛末は存外に奇妙なものだったよ。まあ待て、話すから。今朝8時過ぎに僕は、仕事にあぶれた馬手の出で立ちでここを出た。厩舎の辺りをうろついていたら同業者の連帯感で皆が同情してくれて、あっと言う間に仲間になった。聞きたい情報が何でも手に入ったよ。ブライオニー・ロッジはすぐに見つかった。小洒落た二階建ての邸宅で、家の裏手には庭があり、通りに面して建て増ししてあった。玄関には頑丈な鍵がかかっていた。広い居間が右手にあった。家具調度は立派なもので、床まで届く長さの窓には我が大英帝国の誇る窓締め金具がついていたが、無論子供でも開けられる。ここではたいした発見はなかった。せいぜい、馬車置き場の屋根から廊下の窓に 跳び移れることが分かったくらいだ。僕はこの家を一巡りし、あらゆる視点から観察したが、それ以外に興味を引くものはなかった。
それで通りへ出てぶらぶらと歩いていたら、庭を囲っている壁沿いに狭い路地が伸びていて、そこに馬屋があるのが分かった。にらんだ通りだ。僕は馬の掃除をしていた男達の手伝いをして、2ペンスの駄賃と、一杯のビールと、手巻たばこを二本手に入れた。そしてミス・アドラーの情報もね。もっとも、そこに辿り着くまでに聞きたくもない近所の人達の噂話をたっぷり聞かねばならなかったが」
「それでアドラー嬢に関しては何を?」わたしは尋ねた。
「彼女は近在の男達の心をすっかり虜にしている。ボンネットがお似合いの、世界で最もたおやかで優美な存在というわけだ。人々は内輪で『サーペンタインのほう』と呼んでいるらしい。彼女の暮らしぶりはつつましやかで、たまに音楽会へ出て歌い、毎日5時に車で出かけ、7時きっかりに帰ってきて晩餐を取る。それ以外に出かける事は殆どない、音楽会の時は別だがね。訪問者は男が一人だけ。でも彼の姿はよく目撃されている。濃い色の肌をした、颯爽とした美男子で、一日一回は必ず訪れる。多い日は一日に二回だ。名前はゴドフリー・ノートン。インナー・テンプル(ロンドンに四つある法曹院の一つ)の人間らしい。御者をやっている男達と友達になると色々いいことがある。ノートンを何度もサーペンタイン・アベニューから乗せているからよく知っているんだ。さて、僕は聞きたいことをすべて聞いてしまうと、ブライオニー・ロッジに取って返した。そして、これからの作戦について考えた。
ゴドフリー・ノートンは明らかにこの事件における重要人物だ。彼は弁護士だ。悪い予感がする。アドラー嬢と彼の関係は?彼はなぜ何度もサーペンタイン通りを訪れているのか。彼にとって彼女はただの依頼人なのか、友人か、もしくは愛人か?依頼人なら、彼女は例の写真を彼の手に渡しているだろう。それ以外の関係なら、その可能性は薄い。このままブライオニー・ロッジで探索を続けた方がいいのか、それともインナー・テンプルの弁護士の部屋に忍び込んだ方がいいのか?判断の分かれ目だ。僕の調査範囲が拡げられたのだ。いちいち細かい話で退屈させていたら済まないが、僕の考えた事を全て話しておく必要があるんだ。そのうち分かるから」
「すっかり引き込まれて聞いているよ」私は答えた。
「僕がまだ迷っていた時、一台のハンソム(一頭立て二人乗り馬車)がブライオニー・ロッジに止まり、急ぎ足で一人の男が降りてきた。凛々しい顔立ちで、肌の色は濃く、ワシ鼻で口髭をたくわえていた。例の男に間違いない。彼は慌ただしい身振りで御者に待つようにと叫び、ドアを開けた召使を殆ど無視してずかずかと上がり込んだ。まるで自分の家のようにね。
彼は邸の中に30分ほどいた。僕からは見えにくかったが、居間を歩き回っているのが窓越しにわずかに見えた。腕を振り回し、興奮した様子で何か喋っていた。
彼女の姿はまったく見えなかった。やがて出てきた彼は、より一層狼狽していた。馬車に乗り込みながら彼はポケットから金時計を取り出し、食い入るように見つめた。『超特急で頼む』彼はそう叫んだ。『最初にリージェント・ストリートのグロス&ハンキーに行って、その後エッジウェア・ロードの聖モニカ教会だ。20分で行けたら半ギニーやるぞ!』
彼らは走り去った。もしかして追いかけなかったのはまずかったかと、僕が思いを巡らしていた時、通りの向こうからきれいな小型のランドウ(四輪馬車)がやって来た。だが御者は上着のボタンが外れていたし、ネクタイは耳にかかったまま、馬具も留め金がしっかり留まっていないありさまだった。その馬車が止まるか止まらないかのうちに彼女が玄関から猛突進してきて乗り込んだ。ちらっとしか見なかったが、花のような面差しだった、男に死んでもいいと思わせるほどの。
『聖モニカ教会へやってちょうだい、ジョン』と彼女は叫んだ。『20分で行けたら半ソブリンあげるわ』
これは追いかけねばと思った。後から追いかけるか、彼女の馬車の後ろに張り付いていくかと考えていた時、流しの馬車がやってきた。御者は僕のみすぼらしい恰好に驚いたようだったが、僕は有無を言わせずに乗り込んだ。
『聖モニカ教会へ』僕は言った。『20分で行けたら半ソブリンだ』正午25分前だった。何が起ころうとしているのかは明白だった。
僕の馬車は速かった。想像以上の速さだったが、彼らの方がまだ速かった。僕が着いた時、彼らの馬車は教会の玄関に繋いであって、馬からは湯気が立っていた。僕は支払いを済ませて教会へ入った。中にいたのは僕が尾けてきた2人だけで、他には誰もいない。僧衣をまとった牧師が戒めるように彼らに話しかけていた。彼ら三人は祭壇の前に立っていた。僕は端の通路を、偶然立ち寄っただけの道楽者のようにのんびり歩いた。すると驚いたことに祭壇の三人が僕の方を振り返り、ゴドフリー・ノートンが必死の形相でこちらへ駆け寄ってきた。
『ああ、助かった』彼は言った。『君でいい。こっちへ、さあ来たまえ』
『何ですかい?』と僕は聞いた。
『いいから来るんだ、後3分しかない。3分経ったら違法になる』
僕は半ば引きずられるようにして祭壇まで行った。そして訳が分からぬままに、耳元で囁かれる言葉をオウム返しに唱えた。そして、何かの保証人にさせられた。つまりこうだ。僕は、未婚女性であるアイリーン・アドラー嬢と、これまた独身者であるところのゴドフリー・ノートン君の結婚式を粛々と手助けしていたんだ。すべてはあっという間だった。ノートン君とアドラー嬢は両側から感謝の言葉を雨とふらすし、牧師は僕の面前でにっこり笑っているし、あんなに自分が道化じみて思えたのは生まれて初めてだったよ。それを思い出すだけで、あんなに笑えてしまって。おそらく彼らの婚姻許可書が略式だったので、保証人なしに結婚式を挙げる事を牧師が拒否したのだろう。そこへ僕がのこのこ現れたものだから、新郎新婦にとっては外へ飛び出して手当たり次第に介添人を探すという手間が省けたわけさ。花婿は僕にソブリン金貨を一枚くれたよ。だから不思議な巡り合わせの思い出に、懐中時計の鎖にでも繋いでおこうと思ってね」

戯れ訳『ボヘミアの醜聞』3


彼がそう言い終わらないうちに馬のひづめの音と車輪が角を曲がる音が聞こえ、間もなく玄関の呼び鈴が鋭く鳴った。ホームズは口笛を吹いた。
「二頭だな」彼は窓に近づいて外を見た。「やっぱりそうだ。瀟洒なブロアム型馬車に馬が二頭。美女だぞ。一頭150ギニーは下るまい。ワトソン、もしこの事件に何も見るべきところがなくても、金だけはありそうだ」
「じゃあそろそろ行くよ、ホームズ」
「どうしてだい。そこにいてくれよ。きみがいなきゃ、僕はボズウェルを失ったジョンソンも同じだ。約束する、この事件は面白くなるよ。見逃す手はない」
「しかしきみの依頼人が・・・」
「気にするな。僕はきみの助けが必要かもしれないし、それは彼だって同じさ。さあ来たぞ。頼むから座って、ワトソン、その肘掛椅子に。そしてきみの注意をありったけ僕たちに注いでもらいたい」
重くゆっくりとした足取りが階段を上り、通路を渡って部屋の前で止まった。ドアがノックされた。うるさく、高圧的な音だった。
「どうぞ」とホームズが言った。
入ってきたのは二メートルもあろうかという大男だった。胸板は厚く、太ももはヘラクレスのように逞しかった。豪華な衣装を身につけていたが、英国では悪趣味とも取られかねない豪華さだった。アストラハン産の重厚な革を使ったダブルのコートは袖口と前見頃に切り込みが入っていた。その上に濃い青の外套を羽織っており、裏地は燃えるような赤い絹だった。そして首元に大きなエメラルドをつけ、外套の留め具にしていた。長靴はふくらはぎの真ん中あたりまで来る長いもので、柔らかそうな茶の毛皮で縁どられていた。彼の全体的な印象は野性的な豪奢とでも言うべきものだった。
彼はつば広の帽子を手に持っていた。そして顔の上半分、頬骨あたりまでを黒い仮面で隠していた。仮面は部屋に入る直前に着けたものらしく、手でまだ触っていた。彼の顔下半分から察するに、強い個性の持ち主のようだった。厚く垂れさがった唇、長くて丸みのない頬からは、頑固なまでの意志の強さが見てとれた。
「手紙は受け取ったかね?」男は威圧的な声で言った。明らかなドイツ語訛りがあった。「訪問すると書いておいたが」男はどちらがホームズと判じ兼ねたらしく、私たちを交互に見た。
ホームズが返事をした。「どうぞお掛け下さい。こちらは友人で助手のワトソン博士です。時々、好意で事件の手伝いをしてくれるのですよ。どうお呼び申しましょうか?」
「フォン・クラム伯爵だ。ボヘミアの貴族だ。この男、君の友人ということだが、名誉を重んじ分別をもち、この極度に重要な案件を任せてもよい人物なのだろうな?そうでなければ、ぜひ君ひとりと話したいが」
私は立ちあがったが、ホームズに手首を掴まれ、椅子に押し戻された。
「二人でなければお受けしません。彼に対しては、私に対するのと同じように、なんでも話してくださって結構です」
伯爵はその大きな肩をすくめた。「では始めねばなるまい。まず、これから話す事を二年間極秘にすることを約束してほしい。二年経てば、事の重要性も薄れるだろう。現段階では、これは全ヨーロッパの歴史を変えてしまう可能性すら秘めている」
「お約束します」とホームズが言った。
「私も同じく」
伯爵は続けた。「この仮面については容赦してもらいたい。私を雇ったある高貴な人物が、私の顔を君に知られることを望んでいないのだ。それから、フォン・クラムという名は私の実名ではない」
「そうでしょうね」ホームズがそっけなく言った。
「一触即発の局面なのだ。これが巨大スキャンダルに発展し、ヨーロッパ王家の一つを窮地に陥れることのないよう、細心の注意を払わねばならない。はっきり言えば、代々ボヘミア王位を継承してきたオムシュタイン家に関わる一大事なのだ」
「そうでしょうね」ホームズは雑作もないといった風に呟きながら椅子に座り直し、瞳を閉じた。
伯爵は明らかな驚きの色を見せた。そして、たった今ヨーロッパで最も明敏な判断を下すことができ、最も精力的に活動できる人物であるとみえたにちがいない男のものうげな、無気力な態度を見た。
「もし陛下がこのまま、勿体ぶった話し方をお続けになるなら」ホームズは言った。「僭越ながら申し上げたいと思いますが」
陛下と呼ばれた男は椅子から跳び上がった。明らかに動揺したらしく、せかせかと部屋を歩き回った。しばらくすると男は自暴自棄な素振りを見せ、仮面をかなぐり捨てた。「そうとも」彼は叫んだ。「私は王だ。身分を偽るなんてばかなことだ」
「まったくですな」ホームズが返した。「陛下がボヘミア王、カッセル-フェルスタイン大公、ヴィルヘルム・ゴットライヒ・シギスモンド・ フォン・オムシュタインその人であるという事は、陛下がこの部屋に足を踏みいれられた時から明らかでしたから」
「しかし、理解してもらいたい」王と呼ばれた男はもう一度座り直し、広く白い額を手で撫でつけながら言った。「私は自分自身で行動するということに慣れておらん。しかもこの件はあまりに扱いが難しいので、誰に託すにしてもその者が私の意のままに動いてくれなければ困るのだ。このためにわざわざプラハから、身分を隠してやってきたのだぞ」
「では、お話し下さい」ホームズはそう言い、また目を閉じた。
「簡潔に話すと事実はこうだ、五年ほど前ワルシャワに長期滞在した折、とある女性と近づきになった。アイリーン・アドラー、その筋では有名な人だ、君も知っていよう」
「博士、僕の目録をみてくれないか」ホームズが目を閉じたまま呟いた。長年、ホームズは事件に関わった人間や事物をまとめて目録を作る習慣を持っている。一瞬で思い出せない人や物に出喰わしたときは、その目録を見ればよいわけだ。今回はヘブライ人の宗教指導者と、深海魚についての論文を書いた軍隊の司令官の間に彼女の経歴を見つけた。
「さて、見てみよう」ホームズが言った。「1858年ニュージャージー生まれ。ふむ。コントラルト歌手。スカラ座での公演。ほう。ワルシャワ王立歌劇場のプリマドンナ、そうか。オペラ歌手は引退、ロンドン在住・・・なるほどね。陛下、察しますにこの女性と昵懇になり人目につくと困るようなお手紙を書かれて、今はそれを取り戻したいと熱望されているのですね」
「その通りだ。しかしどうやって・・・」
「極秘に結婚されたというようなことは?」
「それはない」
「法的な書類や証明書はないのですか?」
「ない」
「分かりませんね。ではこの女性がその手紙を恐喝やその他の悪事に使おうとしても、その手紙が本物だと証明する手立てはないのではありませんか?」
「筆跡は?」
「簡単に真似できますよ」
「私専用の便箋だ」
「盗まれることだってあるでしょう」
「私専用の封蝋だ」
「偽造ですな」
「写真もある」
「買ったんでしょう」
「私達二人の写った写真だ」
「おやおや、それはいけませんな。ずいぶんと思慮のない事をされました」
「のぼせあがっていたのだ」
「御身を著しく危険にさらされた」
「当時はまだ皇太子だった。若さゆえの過ちだ、今はもう三十になったが」
「何としても取り返さねばなりませんね」
「手は尽くした。みな失敗だ」
「金額が足りないのでは?」
「彼女は売らん」
「では盗んでは?」
「これまでに五回試みた。私の手の者が彼女の家に二回押し入った。他にも、彼女の旅行中に荷物を奪ったことが一回。彼女を待ち伏せたこと二回。いずれも失敗だ」
「手がかりになるようなものは何も?」
「皆無だ」
ホームズは笑った。「それはまた、手こずらされたものですね」
「私には大問題なのだ」王は憮然として言い返した。
「仰せの通りです。それで、彼女は写真をどうしたいと?」
「私を破滅させたいのだ」
「どうやって?」
「私は結婚を控えている」
「そのように伝え聞いております」
「スカンジナビア王の第二息女であるクロチルド・ロスマン・フォン・サクスメニンゲン王女だ。彼女の一族の厳しい戒律は知っているだろう。彼女自身が非常に繊細な魂の持ち主なのだ。私の行動に少しでもやましい点があれば、この結婚は白紙となるだろう」
「アイリーン・アドラーは何と言っているのです?」
「先方にその写真を送りつけると言っている。本気だろう。彼女が送ると言えば必ず送る、私には分かる。君は彼女を知らんかもしれんが、鋼鉄の精神を持っているのだ。美しい女だが、腹の据わり方は男でも敵わないくらいだ。私が他の女性と結婚するとなったら、彼女はどんな手を使ってでも邪魔しに来るだろう。それがどんな手であろうと、な」
「その写真がまだ送られていないと断言できますか?」
「できる」
「なぜ?」
「彼女は婚約が正式発表される日に送ると言っている。来週の月曜日だ」
「ではまだ三日ありますな」ホームズはあくびをしながら言った。「幸運です。今、緊急を要する事件が一、二ありまして。陛下はしばらくはロンドンに滞在なさいますね?」
「フォン・クラウン伯爵の名でレンガムに宿を取っている」
「結構です、では進捗状況を手紙でお知らせ申します」
「ぜひそうしてくれたまえ。心配で何も手につかないからな」
「お支払いの方は?」
「好きなだけ」
「確かですか?」
「あの写真を取り返してくれるならわが領土の一部をくれてやってもいい」
「とりあえず、当座の資金が必要ですが」
王はセーム革の鞄を外套の下から取り出し、テーブルの上に置いた。
「金貨が300ポンドに、紙幣が700ポンド分ある」
ホームズは手帳に領収証を走り書きし、王に手渡した。
「それで、マドモアゼルの住所は?」
「セント・ジョンズウッド、サーペンタイン・アベニュー、ブライオニー・ロッジだ」
ホームズはそれを書きつけた。「最後にもう一つ」彼はたずねた。「その写真はキャビネ版ですか?」
「いかにも」
「承知しました、それでは失礼します、陛下。まもなく良いお知らせができるものと存じます。ワトソン、今日はどうも有難う」王室の馬車が車輪をきしませながら通りを遠ざかってゆくのを聞きながら、ホームズは付け足した。「差支えなければ明日の午後3時、寄ってくれないか。この件についてちょっとお喋りがしたいから」